カフェのあるこちらの界隈は、ノスタルジック・ワールドだ。
奈良に来たというより、タイムトリップしてしまった感覚だ。
そのノスタルジーワールドを楽しんでいると、どこからともなく
いい香りと威勢の良い規則的な機械音がして吸い込まれるように
店に入ってしまう。
ガッタン!ゴットン!! ガッタン!ゴットン!!
繰り返されるその音は、お茶を燻してほうじ茶にするレトロな機械の音だった。
これは、お土産に買わずにおれないでしょ〜(^^)v
しかし!ノスタルジーに浸って遊んでいる場合ではないのだ。
お祖母さんにとってノスタルジーなんて、別に普通に過去の記憶なのだ。
というか、本人が既にノスタルジーな存在なので、この界隈を「ノスタルジー的な感覚」だ!
などと感じてウキウキしないだろう。
(例えば、実家に床暖房があるのに床下にお湯が流れるなんてカビが生えそうやし、
怖いと言って、一度もスイッチを入れさせてくれない。そのような感覚なのだ)
ノスタルジーでモタモタするより、体力が消耗してしまう前に先を急がねばならぬ。
もちろん、急ぐと言ってもゆっくり急ぐのだ。
そして、歩くのが速いU組は、つい先を歩いてしまい何度も私は目配せしながら
速いっ=3とU組に伝えなければならないのだ。
かと思うとUさん、急に写真撮影に夢中になり、後ろの方にいたりする。
そして、実は私もそうだったりする。
要するにテンポがバラバラな一同なのだ。
トンネルをくぐり、
鹿に警戒され、
1キロ以上の道のりを歩き終えると
東大寺に到着!
U組に再び出待ちの試練、そしてお祖母さんには段差のキツイ階段という試練。
少々、大袈裟だが小さな試練を越えてようやく辿り着いた大仏さん。
いかにも大仏!
いかにも柱くぐり!中学生が「懐かしい!!」と言いながら
柱くぐりに挑戦している。私も子供の頃は奈良に来る度に
くぐったけどさすがに、今、挑戦できないなぁ(笑)
大仏さんにお参りして、すっかり満足した様子と同時に疲労も伺えるお祖母さんの表情。
U組も待ちくたびれた様子。うーーーん、なかなか気ぃ遣うなぁ〜とわたしも少々疲れ気味。
みんなでアイスクリームを食べて、駅に向かって帰ろうとした、その時だった。
足の具合とタクシーに乗らなくても大丈夫かと、お祖母さんに尋ねると
突然、少女のような声で
「足は別に大丈夫なんやけど、あれ!人力車に乗ってみたい!!」
と言ったと思ったら、後ろに人力車のお兄さんが
と云わんばかりに登場したのである。
しかもワンちゃんも乗って良いとのこと!
この一言で、私もすっかり心が浮き立ち、
「それじゃあ、私も一緒に!」
と乗ることにして、Uさんもこの提案が気に入ったようで上機嫌に
自分は歩いて駅まで行くことを引き受けてくれたのだ。
この小さなきっかけで、テンポ・バラバラお疲れ組一同に
爽やかな風が吹き、空気が一気にピンク色に染まったのだ。
さて、人力車でのトリップ!長くなったので続きは、また、のちほど。