Joy & Jura with Whippet Floren

ウィペットと共に静かに暮らしています。犬のことも犬以外のこともぼちぼち書きます。

入院記録・苦しみ編

今回の入院で私が最も苦しんだのは

ズバリ!
硬膜外麻酔の副作用であった。


硬膜外麻酔とは・・・


術後の痛み止めとして、直接背中にチューブを入れ
本人が「痛いなぁ」と思えば自らスイッチを押すことにより
速やかに痛み止めがチューブを通って体内に送り込まれ
痛みから解放される、というものである。
f:id:joju8:20130603100058j:plain:w500

このチューブは手術前に背骨の神経付近に射し込まれ(局麻酔をしてからグリグリと)
術後二日程チューブは刺しっぱなしの状態、痛み止めは肩付近にブラブラと
装着される。(携帯型ディスポーザブルPCA用装置と言うらしい)

f:id:joju8:20130523173744j:plain:w300
こんな感じですわ。

まぁーー、これには本当、泣かされましたわ。
とにかく私には合わなかったようで、低血圧と吐き気でずーっと
フラフラの状態。ちょっとでも身体を動かすとオエ―――ッ
そして吐くと傷が死ぬほど痛い

オエーーッ、イタイーーーッ

と目覚める度に涙を流しながら吐いた。
でも最初はこれが副作用と分からなかったので「痛い」と思えば
自分でカチャッとスイッチを入れていた。
吐くと吐き気止めの点滴を入れてくれるが切れるとまた吐き気に
襲われるので吐き気止めの追加をお願いするも一定時間開けないと
追加出来ないとのこと。

事前に手術スケジュールと言うものを渡されており、手術の翌日には
自分で歩いて、血栓防止のポンプと尿カテーテルが外され、食事の開始
と言う予定であったけど、私は歩くことなんてとても無理だった。
でも、とーーってもお腹が空いてた上に、少しでも食べればこのフラフラ感から
解放されるような気がして、Uに食べ物を口まで運んでもらって、なんとか少し食べた。
(結局、吐くんだけどね)
同じ日に手術を受けた同室の方が早くも自分の足で立って、歩いて、トイレにも行き
食事もしているのを見て、一向に起き上がれる気配のない自分が情けなくてねぇー。


その後、医師と看護師たちの間から副作用説が出て、予定よりも大幅に早めて
痛み止めのチューブを抜くことになった。
チューブを抜いた後の痛み止めは飲み薬のみと聞いて、そんなもので痛みが
取れるのかと不安になり、
「まだチューブを抜かないで下さいまし~」 ←往生際が悪い
とお願いをしてみたけど痛み止めの効果より副作用が勝ってしまっているという
ことで私の意見は呆気なく却下され、痛み止めチューブが私の背中から抜かれた。
抜いた後、徐々にス~っと身体が楽になって行くのを実感。
お腹は痛いけど、痛みよりも低血圧の方が耐えられないのだと知った。
自分の身体に血の気が戻ってくると、もう二度と、あの強烈な吐き気と
意識がふぅ~~っと飛ぶ感じを味わいたくないと思った。


こういう具合だったので、結局手術翌日は立ち上がることが出来ず
二日間寝たきり状態で、足ポンプも付けっぱなし。

こんな血栓防止の足ポンプを装着する    二晩このポンプに耐えたよ~
f:id:joju8:20130523173912j:plain:w400
足先から膝辺りまであり、圧力を掛けて血液を流してくれる

チューブを抜いた日の深夜2時頃にはパチリと目が覚め、そこからはひたすら
朝が来るのを待ち、6時になった時点で自分でポンプを外して、立つことに挑戦!
立ち上がれたのでナースコールを押して歩くことにも挑戦!!
そして、ちゃんと歩けた!!!  


この時に思い出したのは動物写真家の岩合光昭さんがよく口にされるフレーズ

      “生きることは動くこと”

本当にそうなのだ!!
たった二晩の寝たきり状態でも私は強烈に 立ちたい!! 動きたい!!!
という欲求にかられたのだ。
見る夢は、自分で立ってベッドの傍の引き出しを開けたり、ベッド付近をゴソゴソして
いるような夢ばかり。次に立てるようになると、今度は普通に歩いたり自転車に乗ったり
している夢を見るのだ。やっぱり、動物って動いて調子が良いように出来てるのねぇ~!


これが今回の私の“苦”だったというわけ。
副作用には泣かされたけど、チューブを抜いた後は全て嘘だったのかと思うくらい
体調が良くなり、お蔭様で毎食完食、看護師の間でも“お春丸さんはよく食べる”
という認識になり、私は順調に回復をして退院をするのでした。




※この硬膜外麻酔、合う人には合うようで同室の方はこれのおかげでほとんど
 痛みを感じることもなく、すぐに歩くことができ、数日間チューブを装着した
 ままでも、なんの副作用もなく順調に私より一足早く回復されていたので
 この日記は副作用の危険性を訴えるものではないと理解していただけると
  幸いです。

スポンサーリンク