ジュラの最期の日々を書くにあたり、どういう病気だったのか
一旦おさらいすることにしました。
11月5日に受けたCT検査の結果、脾臓由来の癌でおそらく血管肉腫
もしくはそれ以上に悪性度の高い癌であるとのことでした。
エコーやレントゲンでは分からなかった転移がCT画像では、肝臓や肺に
はっきりと写り、食道にも怪しい影があった。
という事で、既に全身に転移していたわけです。
血管肉腫という癌は、血液が癌細胞だらけになり、それが全身に巡らされて行く
それ故に、恐ろしく進行が早いのだと、説明を受けました。
さて、問題は脾臓摘出のオペを受けるかどうか。
CT検査の結果を聞くまでは、例え悪性と診断されても突然死を防ぐのに
オペを受ける心づもりでした。(予約もしていた)
ところが、全身麻酔・CT検査後に連れて来られたジュラは、入院をしたことも
無かった為か、相当ストレスが大きかったようで、体力気力共に消耗し切っていて
病室から逃げるようにして私の腕の中に入ってきたのです。
40分程の運転で自宅に着いた頃には顎がたぷたぷと腫れ、奇妙な声でジュラが
しばらく鳴き続けました。
その時の写真を出しますがリアルには出したくないので、少し加工した画像にします。
病院に電話するも、医院長は海外出張の為不在で、若い獣医師は理由が分からない
様子を見るしかないとの返答で不安な一夜を過ごしました。
幸いにも翌朝から腫れは引き正常に戻りました。
ただ、体力的には最初の出血から回復していたのに、全身麻酔で降り出しに戻り
数日間ジュラはぐったりしていました。
そんなジュラを見て、オペを受けるかどうか、かなり迷い始めたと言うか
真剣に何が彼女にとって最良かもう一度、考えることにしました。
補足を書きますと、今回の件で同時に三箇所の病院にかかっていました。
A: かかりつけ医
B:循環器の医師(心臓)
C:AとBが共に信頼を寄せる腫瘍専門の医師(オペ担当)
それぞれに相談させていただきましたが、
A•B医師:オペはおススメしない
(オペをしてもいずれ他のところが出血し始める・勝ち目のない戦はしてならないetc)
C:なんとも言えない、どちらでも良い
とのことでした。
C医師の説明ではオペだけでは癌の進行の早さは変わらず、脾臓摘出直後から
抗がん剤治療を行えば、余命を倍程伸ばせる。
余命一ヶ月なら二ヶ月、という具合に…
と聞いて、オペ+抗がん剤はやる気は起きませんでした。
というのも、私は開腹手術、腹腔鏡手術、子供の頃の簡単な虫垂炎の手術と
三回のオペ経験があり、薬物治療も抗がん剤ではないが、ホルモン療法で一年間
女性ホルモンを抑える治療を受けたことがあったからです。
オペに関して言うと、どんなに簡単なオペでも身体は堪える、ましてや開腹手術は
痛みが消えるのに一ヶ月以上はかかる。
勿論、二足歩行の人間と四足歩行の犬とでは痛みは違うかも知れないが楽ではないはず。とは言え、心臓病+血が止まりにくい状態でのオペは相当キツイと考えました。
そんな状態で副作用のある抗がん剤を始めるって…
ホルモン剤でも相当しんどかったのに、そんなの地獄やん、と私は思ったのです。
勿論、それで癌が治るなら、もしくは余命がもっと一年くらい伸びるのなら、頑張らせる価値はあるのだろう。でも、一ヶ月が二ヶ月じゃあ無理。(二ヶ月なら四ヶ月らしいが)
人間は良き結果を信じて、治療を頑張れるが犬は何も分からない状態でただ受け入れるしかない。
人間なら副作用のある投薬治療も、何がどう辛いのか訴え、改善を求めることが出来るが、犬はただ何も言わず耐えるしかない。
そう思うと、抗がん剤治療という選択はすぐに消えました。
残るはオペの決断。
仮に、脾臓摘出のオペが無事に終わったとして、そのあと、散歩へ行けるくらいに回復するにはどれくらいかかるのだろう?回復した頃に癌がさらに進行した場合、再び散歩に行けるのだろうか?
今なら、まだ少し散歩には行ける。
今ジュラに残されている体力をオペでなく、普通の生活と散歩に使おう、それで出血して急死しても、それは運命だと受け入れよう。
そう決断したのでありました。
きっと、この決断がジュラが望むこと、そしてジュラにとって他の選択より楽なことではないかな?とね。
でも、現実はそう甘くなく、のちに苦しむジュラを見て、実はオペした方がジュラは楽だったのかな?
などと、何度も自問したのでありました。
その時間も過ぎ、ジュラを見送った今の心境はと言うと、やっぱりオペはしなくてよかった、です。
とにかく家で、私の腕の中で、見送れてよかった、と安堵しています。
正解なんてないのでしょうが、とりあえずは納得出来ています。
(麻酔後の顎のたぷたぷについて、のちに医院長に確認したところ、もしオペをするなら原因究明をしないといけない。アレルギーだった場合、再びなる可能性がある、とのことでした。)
今回の決断について、もう一つ、私の励みになったことがあります。
それは、偶然にもかかりつけのA医師の愛犬も血管肉腫で亡くなったと聞いたからです。
同じように高度医療を受けることなく、毎日病院に連れてきて先生の足元で最後まで一緒に過ごしたそうです。
最後までお姫さまだった、と涙ながらに奥様がおっしゃっていました。
うちのジュラさんも、最後までお姫さまでしたよ❤️
今や、私の神です✨
長くなってしまい、申し訳ございません。
以前の日記と重複する部分もありますが、血管肉腫という病とどう向き合い、どう決断したか、詳しく書いておきたかったのです。
その背景を踏まえた上で、これから書く散歩の様子などを見て頂けると、ただの散歩がどんなに貴重な散歩なのかを想像して頂けるかなぁと思った次第です。
最後まで読んでいただき、感謝致しますm(_ _)m